振込と送金の違いとは?送金方法の種類と手数料を徹底比較!

「家賃を”送金”する」、「仕送りを”振り込む”」

私たちは日常会話で、お金を誰かに送る際に「送金」と「振込」という言葉を何気なく使っています。しかし、この2つの言葉の厳密な違いを説明できるでしょうか?

「送金と振込って、結局同じことじゃないの?」

「ATMの画面には『お振込』とあるけど、『お送金』とは書いてないのはなぜ?」

「振込以外の送金方法には、どんな種類があるの?」

この記事では、そんな素朴な疑問から専門的な内容まで、「振込と送金の違い」をテーマに、誰にでも分かりやすいよう解説します。さらに、「振替」との違いや、現金書留、スマホアプリなど多様な送金方法、それぞれのメリット・デメリット、手数料まで徹底比較していきます。

この記事を読み終えれば、あなたは「送金」に関するあらゆる方法を理解し、その時々の状況に応じて最も賢く、お得な選択ができるようになります。

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【結論】「送金」という大きな枠の中に「振込」がある!

まず、この記事の最も重要な結論からお伝えします。

「送金」と「振込」は、イコールの関係ではありません。「送金」という大きなカテゴリーの中に、「振込」という具体的な方法が一つ含まれている、という親子のような関係性です。

🔷「送金」とは、お金を送り届ける”行為そのもの”

送金(そうきん)とは、文字通り「お金を送り届ける」という行為全体を指す広義な言葉です。A地点からB地点へ、何らかの手段を使ってお金を移動させること、そのすべてが「送金」にあたります。

🔷「振込」とは、送金するための”方法の一つ”

振込(ふりこみ)とは、数ある送金方法の中の一つで、「銀行口座を介して資金を移動させる方法」を具体的に指す専門用語です。つまり、振込は送金という目的を達成するための、非常にポピュラーな「手段」なのです。

「振込」とは?銀行口座を使った最もポピュラーな送金方法

では、数ある送金方法の中でも、最も身近な「振込」について、その特徴を詳しく見ていきましょう。

🔷銀行の口座を介して資金を移動させる仕組み

前述の通り、「振込」は銀行システムを利用した送金方法です。自分の銀行口座から、相手の銀行口座へ、お金のデータを移動させることで送金が完了します。現代の経済活動において、最も基本的で重要な金融取引の一つです。

🔷振込のメリット:確実性・安全性・スピーディー

  • 確実性:送金履歴がデータとして通帳や明細にしっかり残るため、「送った」「受け取っていない」というトラブルを防げます。
  • 安全性:現金を直接持ち運ぶリスクがありません。さらに金融機関の強固なセキュリティに守られているため安全です。
  • スピーディー:ネットバンキングなら24時間365日いつでも手続きが可能で、早ければ即時に相手の口座へ着金します。

🔷振込のデメリット:手数料がかかる・口座情報が必要

  • 手数料:他行宛の振込には、数百円程度の手数料がかかります。
  • 口座情報が必要:相手の「銀行名」「支店名」「口座種別」「口座番号」「口座名義」といった正確な情報がなければ、手続きができません。

🔷どこでできる?主な振込のやり方

🔶銀行・ATMでの振込

最も一般的な方法です。銀行の窓口で依頼するか、ATMを自分で操作して手続きを行います。ATMなら、窓口が閉まっている時間でも利用可能です。

🔶インターネットバンキング(ネット銀行)での振込

PCやスマートフォンを使って、いつでもどこでも振込手続きができます。手数料も窓口やATMより安く設定されていることが多く、非常に便利です。

「振込」だけじゃない!目的で選ぶ多様な送金方法【一覧比較】

「送金」の手段は「振込」だけではありません。目的や状況に応じて、様々な方法を使い分けるのが賢い選択です。ここでは代表的な送金方法を比較・解説します。

🔷① 振替:自分の口座間の資金移動【手数料無料】

🔶「振込」との違いを再確認

「振替」は、同一銀行内の自分名義の口座間でお金を動かすことです。他人や他の銀行は一切関与しません。自分の資産を自分の別のポケットに移すだけなので、手数料は原則無料です。

🔶利用シーン

  • 普通預金から定期預金への貯蓄
  • 投資信託などを買うための資金移動
  • クレジットカードの引き落とし口座への資金移動

🔷② 現金書留:現金を直接郵送する【口座不要】

🔶「振込」との違いを再確認

現金書留は、郵便局のサービスで、現金を専用の封筒に入れて郵送する方法です。

🔶メリット

  • 相手の銀行口座を知らなくても、住所と氏名さえ分かれば送れる。
  • ご祝儀やお香典など、新札や現金をそのままの形で届けたい場合に適している。
  • 万が一の紛失時には、損害要償額の範囲内で補償される。

🔶デメリット

  • 手数料が振込に比べて割高になる傾向がある。(送金額に応じた料金+基本料金)
  • 郵送に時間がかかるため、即時性はない。
  • 郵便局の窓口でしか手続きができない。

🔷③ 口座振替(引き落とし):定額支払いを自動化する【手間いらず】

これも広義の送金ですが、お金を動かす主体が異なります。

🔶自分で送るのではなく、事業者が引き去る仕組み

「口座振替」は、あなたが事前に許可することで、企業側があなたの口座から毎月自動で代金を引き去る方法です。毎回家賃を「振り込む」のは手間ですが、「口座振替」にしておけば何もしなくても支払いが完了します。

🔶利用シーン

  • 公共料金(電気・ガス・水道)、携帯電話料金
  • クレジットカードの利用代金
  • 保険料、家賃、サブスクリプションサービスの月会費

🔷④ スマホ送金アプリ:個人間送金をキャッシュレスで【手軽さNo.1】

PayPay、LINE Pay、楽天ペイなどのスマホ決済アプリに搭載されている個人間送金機能です。

🔶PayPay、LINE Payなどの仕組みと特徴

アプリの残高(PayPayマネーなど)を、友人や家族のアプリのアカウントへ手数料無料で送ることができます。銀行口座を介さないため、非常にスピーディーで手軽です。

🔶メリット

  • 多くの場合、個人間の送金手数料が無料。
  • 相手の口座情報を知らなくても、IDや電話番号、QRコードで送れる。
  • 1円単位で送金でき、飲み会の割り勘などに非常に便利。

🔶デメリット

  • 相手も同じアプリを使っている必要がある。
  • 送金できる上限額が設定されている。
  • 現金化(銀行口座への出金)する際に手数料がかかる場合がある。

🔷【目的別】最適な送金方法の選び方(比較表)

【目的別】最適な送金方法の選び方

ATMや銀行窓口ではどう違う?場面ごとの言葉の使い方

🔷ATMの操作画面:「お振込」と「お振替」が基本

銀行のATMのトップ画面には、「お預入れ」「お引出し」と並んで「お振込」「お振替」というボタンがあります。

  • 他人や他行の口座へ送る場合 → 「お振込」を選択
  • 自分の口座間で移動する場合 → 「お振替」を選択

ここに「お送金」というボタンはありません。なぜなら、ATMで行うお金を送る手続きは、この2つがメインとなるためです。

🔷なぜ「送金」という言葉はあまり使われないのか?

これは、「送金」が広義すぎるためです。金融機関としては、お客様がどの「方法」で送金したいのかを具体的に特定する必要があります。そのため、手続きの名称としては、より具体的な「振込」や「振替」という言葉が使われるのです。

口座がなくても送金できる?主な方法と注意点

「相手の口座は知らない」「自分の銀行口座を使いたくない」という場合でも、送金する方法はあります。

🔷現金書留:郵便局から現金を送る

前述の通り、郵便局の現金書留サービスを利用すれば、相手の住所さえわかっていれば現金を送ることが可能です。

🔷銀行窓口・ATMでの「現金振込」

🔶自分の口座を使わずに現金で振り込む方法

銀行の窓口へ行き、備え付けの振込依頼書に記入し、現金と一緒に渡す、又はATMを操作することで、自分の口座を使わずに相手の口座へ振り込むことができます。これを「現金振込」と言います。

🔶10万円を超える現金振込には本人確認が必要(ATMでは不可)

マネー・ローンダリング防止のため、法律により10万円を超える現金を振り込む際には、窓口で運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類の提示が義務付けられています。 また、ATMでは10万円を超える現金振込はできません。

まとめ:「送金」目的を明確にして最適な「方法」を選ぼう!

今回は、「振込と送金の違い」をテーマに、様々な角度から解説しました。

  • 送金:お金を送るという行為全体の総称。
  • 振込:送金方法の一つで、銀行口座を介して送ること。最もポピュラーな手段。
  • 「送金」には、「振込」の他に「振替」「現金書留」「スマホ送金」など多様な方法がある。
  • それぞれの方法には、手数料、スピード、必要な情報、メリット・デメリットが異なる。

これらの言葉の違いを正しく理解することは、単なる豆知識ではありません。それは、あなたの目的や状況に合わせて、最も手数料が安く、最も効率的で、最も安全な方法を選択する能力に繋がります。

次にあなたが誰かにお金を送る際は、ぜひこの記事を思い出してください。そして、数ある選択肢の中から、自信を持って最適な「送金方法」を選んでみましょう。